「お前…やっと思い出したか…」
「…言ってくれればよかったのに。」
「言えるわけないだろ。あんなにショック受けてたんだから…」
凛音くんが言っているのは、
きっとわたしのお父さんのこと。
彼はわたしがお父さんのことを大好きだったのを知っていたから。
…そうやって、凛音くんはわたしのことをずっと守っていてくれた。
わたしはそれがすごく特別なことだなんて、わからなかった。
それが普通だと思っていた。
「…この間、ごめん。無神経なこと言った。」
「気にすんなよ。俺も怒鳴って凛兎のこと傷付けたからお互い様だろ。
…てか俺は、お前が俺のこと避けてたことの方がきつかったけど。」
「…ごめんなさい。」
