君を知らないわたしと、わたしを知っている君。



『凛兎と凛音って、名前似てるよな。兄妹みたいだ。』
『本当ね。ステキな偶然ね。』



小さい頃、賢吾さんとお母さんが話していた。
凛音くんは隣に住んでいて、いつも一緒に遊んでいた。



『凛兎!おせーぞ!こっちこっち!』
『待ってよー!』
『早くしないと置いてくぞー!』



休みの日にはよく四人で海に行った。
わたしは泳ぐのが下手くそで、いつも凛音くんを追いかけるだけで精一杯だった。
それでいつも馬鹿にされていたけど、泳ぎ方を教えてくれたのも凛音くんだった。


学校に行くときも、放課後も、
家に帰るまではいつも一緒だった。
凛音くんはわたしよりも二つ年上だったから
彼が中学生になったときは、なんだかすごく大人っぽく見えたのを覚えている。
制服が羨ましかった。


きっと、初恋も凛音くんだったんだと思う。
だから小学生の時からモテていた凛音くんが、中学で他の人に取られないか不安だった。


けど、不思議と彼はいつもそばに居てくれた。