君を知らないわたしと、わたしを知っている君。




『翔太さんの痛みに比べたら、
あたしの命なんて小さいことです!』




「…俺は、本当は独りじゃねーのかなって、思った。」


今日の芽依の笑顔を思い出す。
…本当に、芽依は強いな。すごいな。
何が何でも翔太くんの痛みを消してあげたかったんだ。

翔太くんは立ち止まると、わたしの方を向いた。


「俺さ、ホストやめた。」
「…ほんとに?」
「おう。大学の先輩の店で働かせてもらうことになった。
先輩、俺の家の事情知った途端に他のやつより給料上げるって聞かなくて。」

「すごい…よかったね。」
「…お前らのお陰だよ。…ありがとな。」



翔太くんが笑顔になって、わたしも笑った。
…よかった。
わたしが彼に伝えたことは無駄ではなかったみたいだ。
何より芽依の努力が報われたみたいで、本当によかった。