十月。
気持ちよく晴れた秋晴れの日。

今日は球技大会。
スポーツが好きな人にとってはすごく楽しいイベントだ。
わたしにとっては…地獄。


「球技大会って、必要なのかな。」


クラスの男子たちのハンドボールを応援しながら、
隣にいる芽依に素朴な疑問を投げかけてみる。


「んー、やっぱほら、受験生の息抜きというか。」
「真面目なご回答ありがとうございます。」
「もうほら、凛兎も一緒に声出して!」


がんばれー、とやる気のない声を出すと芽依に睨まれた。
散々残って練習させられたバレーボールも無事に優勝して
やっぱりわたしのクラスは無敵らしかった。
芽依と一緒に応援の移動をしていると、彼女はわたしの顔を覗き込む。