君を知らないわたしと、わたしを知っている君。



"この手紙を読んでいるということは、
凛兎ももうだいぶ大人になったのかな。
元気か?
笑っているか?
母さんと喧嘩してないか?
今更、こんな手紙を読ませてごめんな。
凛兎には、本当のことを知っておいてほしかったんだ。


まず勝手なことをして、ごめん。
父さん、実は鬱だったんだ。
会社で少しいい成績を出したことがあってな。
それが周りの社員たちからの恨みを買ってしまったらしい。
毎日毎日理不尽な残業や身に覚えのない失敗が続いて…
仕事をやめてしまったよ。
母さんにも迷惑をかけてしまった。

本当は凛兎が成長するのを最後まで見届けたかった。
だけどこのままでは、周りの人にずっと不快な思いをさせてしまう。
だから自ら命を絶つことを決断した。


父さんの人生の中で、
凛兎は父さんの光だったよ。
初めて凛兎がお父さんと言ってくれたとき、どんなに嬉しかったことか。
お前は強がりだけど、小さなことでよく泣く子だった。
これからどんな子に育つんだろうかと、
いつも母さんと話していた。

凛兎、ごめんな。
ダメな父さんを許してくれ。
父さんは、凛兎のことが本当に大好きだよ。
お前は父さんの何よりも大切な宝物だった。
それだけは覚えておいてくれ。

それから凛音のこと、大事にしてやれよ。

父"