沈丁花

あの日、青年の髪から抜き取った物で、使うことは出来ないが、寂しい時に眺めている。

(逢いたい………)

簪を胸に添えて、そっと、涙を零した。


宴の最中、櫞葉は死人の様に顔は青かった。

明媛はウキウキと足取りも軽く、煌びやかな妃達も立場を失う程着飾っていた。

(そうだった。明媛姉上には、好い人がいるんだっけ。)

いつもあれ程楽観的なのは、それなのか。