沈丁花

そもそも、櫞葉が住まう宮には、よほどでない限り、侍女や身内以外が入ることは難しい。

宴にこっそりと呼ぼうかと考えたが、それは不可能に近いだろう。

(どうすれば良いのやら。)

深く深く、溜め息をついた。


宴の当日。

櫞葉は嫌々ながら、仕立てさせた襦裙を召し、化粧は侍女にさせ、珍しく着飾った。

少し時間があったので、櫞葉は人払いをさせてから、室に籠って、ある物を眺めていた。

簪。
それも、古びて、錆びていた。