沈丁花

侍女は去って行った。

(春の宴が、来なければよいのに。)

春の宴は、身内と関係者、それと貴人しか参加を許されない。

つまり、櫞葉は参加をするが、彼の青年は許されないのだ。

侍女達や明媛は、衣裳を仕立てたりと指折り数える日々だが、櫞葉には心が重かった。

着飾っても、誰も見てはくれない。
見てくれても、本当に見せたい相手は来る資格がない。

無駄なことを。
それが、本音だった。