沈丁花

「恋に歳も身分も、必要ないわ。」


「近いうちに、春の宴があると聞いたのだが、本当か?」

櫞葉は侍女頭にそう問うた。

「はい。日程はまだ未定です。吉日を選んで決めるので。」

櫞葉はあまり宴が好きではなかった。
賑やかなことは嫌いではない。だが、この宴に限っては、どうしても好きになれなかった。

「衣裳や簪はいつもので見繕う。化粧は任せる。」

素っ気ない言い分だ。
娘らしいところが欠如しているのかもしれない。

「承知しました。早速手配致します。」