女、いや、明媛は笑った。

「ひとつ、華を手折ってみない?」

女は美しかった。
それも、残酷なまで。

「いいやもしれませんね。」

青年は微笑んだ。

「貴方は、妾のもの。」

女は綺麗に結った髪から、一本簪を引き抜いて、青年に渡した。

青年は、笄を差し出した。
女はそれを愛おしそうに撫でた。

「これは、秘密の戯れよ。」