「貴女が毒を盛れと命令すれば、侍女達は逆らえません。どんなことだってするでしょう。少なくとも、それ位は理解していなければなりません。貴女を、私は甘やかし過ぎたのかしら。」

圓妃は明媛を見て、ふう、と溜め息をついた。

何が間違っていたのだろう。

蝶よ花よと育てられて来たこの娘は、苦労をしらない。

圓妃は幼い頃から才女として有名な姫だった。

世間の教養くらい、子供の頃に覚えて、人並みに秩序ある行動を心得ていた。

「本当に………ね。」