「貴女が、霛塋公主様に毒を盛るように命じていたと、侍女の一人が零したのです。」

「で?その侍女どうしたのよ。母様は。」

「暇を取らせました。話がひろがるのは、あまり良くないことです。貴女の立場も悪くなります。」

明媛は自分の立場を、あまり理解していない。
そして、行動の一つ一つに責任が伴うことを、まだ知らない。

「明媛。貴女は、あまりにも世間に疎すぎる。霛塋公主様を害するとなれば、お父君もどうなさるか。それを、考えたことがありますか?」

ない。
そんな面倒くさい、難しいことなんて、明媛の柔いお頭では考えられない。