沈丁花

いつか、櫞葉は青年への恋心に気づいたが、それを表に出すことが出来なかった。

青年の商家は、元は繁盛していたらしい。
だが、この頃は赤字だった。

このままでは、店を畳まなくてはならない。そんな時期があった。

それを知った櫞葉には、自分からはどうすることも出来なかった。

ただ、衣裳や簪、化粧品をそこで買ったりして、支えていた。

普通の公主は、そんなことはしない。
彼女の意図を理解した父君の特別な計らいだった。

(随分と経つのだな。)