沈丁花

だが、話すことは出来ない。
きっと、櫞葉の身分に畏れ多いと申し、膝をついて、顔を下げるのだ。

(嫌な話だ。)

道をただ、歩いていると、商家が見えた。あまり、繁盛していなそうだが。

(あれ?)

店に、懐かしい顔があった。
もしかしたら………

迷わず、櫞葉はそこに入った。
いらっしゃい、と女将が言った。

「あ…………」

表にいた、若い青年と目が合った。
勘は、当たっていた。

「櫞葉様。」