「ふう。」

櫞葉公主は溜め息をついて、手に持った絹団扇を弄んでいる。

この頃は、とても暇だ。
全てのことは、侍女がやってくれる。

(そうだな。)

霛塋公主の侍女を名乗るのをやめてから、かなりが経った。

玲玲の名を捨て、今では、櫞葉公主として生きている。

都合が悪かったので、玲玲は毒によって死んでしまったことにした。大層、霛塋公主は嘆かれていた。

(今でも、故郷を懐かしいと思ってしまうのは、いかがなことか。そうだろう?櫞葉。)