「榮氏と明媛公主は、個人的な繋がりを持っていて、昔はかなり良くしてもらっていたみたい。」

だから、と霛塋は話を繋げた。

「榮氏が幽閉される原因を作った吾を恨んでいるのではないかしら。」

「恨む?」

「えぇ。榮氏と明媛の母である圓妃は珍しく仲の良かったわけです。先程も言ったけれど、幼い頃から榮氏に良くしてもらっていたの。娘の吾よりも可愛がっていた。」

記憶の彼方、奥底に、きゃあきゃあと榮氏に甘える女童を思い出す。それが、明媛公主だったのだろう。

「吾は、そう多く望んではいけないと思うわ。」