沈丁花

数刻経って、覼瑣の父君、つまり霛塋の弟が来た。

「覼瑣が此処に参りましたと聞きました。」

「来ていましたよ、覼瑣は。」

「御迷惑おかけしておりませんか。あの子はまだ幼くて、道理を知らないから。」

霛塋は絹団扇を口に当てて、上品に笑って見せた。

「吾は気にしておりません。覼瑣が訪れるのを、楽しみにしているのですよ。あの子は可愛いわね。舌足らずにれーえー叔母ちゃまと呼ばれるのは、嬉しいわ。」

暫く、二人で笑っていたが、覼瑣父は真剣な顔をして此方を見て来た。