沈丁花

「吾よりも詳しいのね。」

櫖鶉は笑った。
十九年間、幽閉されていれば、そうもなるだろう。

櫖鶉に付いていた従者が、そっと耳打ちをした。帰る時間らしい。

「では、霛塋公主様。失礼致します。また、お会いできる日を。」

そう言うと、櫖鶉は衣を翻して、歩いていった。


「面白いことになりましたよ。」

後に、青年は語った。

「霛塋公主にお会いしたのですが、素朴な姫ですね。公主らしくない。」