沈丁花

「よく、吾が分かりましたね。貴方は誰なのですか。名を聞いていませんでしたね。」

初めて会う青年だ。
見目麗しい、華やかな青年だ。

「初にお目にかかります。私は、櫖鶉と申します。お見知りおきを。」

その青年-櫖鶉-は、丁寧に拝礼した。

「公主様。お忍びでいらしたのですか?侍女も、一人しかお連れでないようですし。御衣裳も、質素ですね。」

霛塋はクスリと笑った。

「そうなの。最近息苦しく思っていたので、息抜きにとね。でも、この衣裳は、吾の趣味。華美では無いけれど、美しいと思うわ。」