霛塋はクスリと笑った。

「良いの。その地味さがかえっていいわ。吾ね、十九年間、白一色を着ていたから、鮮やかな襦裙はあまり似合わない気がして。それに、その衣裳でも、髪や簪やらで、随分と変わると思うわ。」

麗鈴は更に驚いた。
こんな貴人がいるのか、と。

「吾のために、仕立ててくれる?」

侍女の分際で、否、とは言えない。
承る他、ないのだ。


「やっぱり、思った通りだわ。」

出来上がった装束を召し、霛塋は華やかに笑った。