「戯れに咲く華を手折りたい?あぁ、何て風雅な御趣味なんでしょう。ねぇ、公主様。」

青年は笑った。


霛塋は遠く、かつて居た離宮のある方角を眺めていた。

十九年。
それは、長かった。

榮氏は妃の位を除籍されたとは言え、まだ父君旲瑓に愛されていることから、離宮でゆったりと過ごしているらしい。

それを聞いて、何だか、少し呆れた。

「公主様。」

新しく雇い始めた侍女が茶を運んできた。