沈丁花

「見苦しいので、こんな所から挨拶をしますのを、御容赦下さいませ。」

櫞葉の座っている寝台は、帳が閉まっていて、此方の姿は見えない。

「良いのよ。それより、貴女が無事でなによりだわ。櫞葉。」

「姉上達こそ、お忙しいのに、態々此方にいらしてくれて。感謝申し上げます。」

明媛と櫞葉の会話は弾んだ。

だが、一人、霛塋だけは不思議に思っていたのだ。

櫞葉公主の声が、ある人に似ていると。

そうとも知らず、二人は話している。呆然と、霛塋だけが立っていた。