「これは、秘密の戯れよ。」


天蓋つきの寝台で、一人の娘が眠っていた。

「櫞葉公主様。」

彼女の侍女頭はそっと、近くに盥を置いた。

櫞葉は苦しそうにしている。
仕方が無い。
この間、毒にあたってしまったのだ。

「失礼致します。」

侍女頭は櫞葉の額に置いてある手巾を水に浸して絞り、また、戻した。

櫞葉公主は、旲瑓の三女だ。姉は二人、霛塋公主と明媛公主。