沈丁花

提灯を持って、独り歩いていた旲瑓は、一度は莉鸞の餌食となった。

だが、彼は死ななかった。
莉鸞は驚いていた。

「お前が殺せない者もいるのだよ。」

そう、諭した。

「熟々、憐れな女だな、莉鸞。」

父君は榮氏に言った。

「それを、妾に言った女が、一人居ましたわ。」

榮氏は笑った。

「本当に、憐れだよ。」


旲瑓は、莉鸞が欲しかったものを知っていた。