沈丁花

再婚相手である義理の父親にさっさと殺されてしまった。

そんな女に、肉親の情を抱けというのは、些か不憫だ。

「旲瑓様。」

旲瑓は霛塋の父君の名だ。
諱ではないが、知っている者はそういない。

榮莉鸞は、魂を食らう化け物になっていた。それを助けたのは、旲瑓だった。

血迷った莉鸞は、生きた人間の魂を見つけては、食んでいた。誰でも構わないで、食んでいた。

血に紅く染まった襦裙を纏い、紅い玉の飾られた簪を数本挿していた。