「玲玲?玲玲!如何したの!?」

様子がおかしい。
霛塋は咄嗟に、玲玲が毒味した羹に銀の簪をさす。これしか無かったので、仕方ない。

(…………やはり。)

毒。
簪に変化が見られた。

(玲玲、毒味なんてしたことないものね。)

そう言えば、羹の臭いが、いつもと違う気がする。

霛塋は不安になり、運ばれた食事のどれにも手を付けなかった。

代わりに、玲玲を医師に診せるよう、他の侍女に指示した。