これなら、延々と離宮の獄に繋がれていた方が、幾分マシだったろう。

まともに生きたと思った二年間は、残酷な二年間だった。

遠くから、華やかな楽の音がして、人々の賑やかな声がした。

心地は最悪だ。
全てを忘れてしまいたい。

何も、考えたくない。
頭を空っぽにまでしてしまえたら、どんなに幸せか。

そして、願いはただ一つ。

今は、只只、独りで静かに眠ってしまいたい。

舟を飛び降りた。
大きな水音がして、水紋が広がった。