「それが………」

侍女頭は口を閉じた。
やはり、言いづらいことなのだ。

「色々と調べてみましたの。そうしたら、確かに十九年前、燕と言う公主が生まれているのです。しかし、彼女は長らくの間、行方知れずとなっておりました。」

ほう、と明媛が声を出した。

「恐らく、その燕公主が、今の霛塋公主様なのでしょう。御歳十九数えでは二十一なので、お歳も一致しております。それに、霛塋公主様の御名も、燕とおっしゃるのです。」

「あら。そうなの。でも、如何して?十九年も、行方知れずになっていたの?」