沈丁花

思い出した。
永寧宮は、霛塋公主が住み始めるまで、暫く使われていなかったのだ。

「何方様でいらっしゃいますか?」

玲玲も知らないようだ。霛塋も知らない。

娘の後ろには侍女らしき女がいて、その女は、

「この御方を誰だと思っているのです!」

だの、奇声みたいな声を上げていた。

「此方様は、第一公主、明媛(メイエン)公主様で御座います!」

(第一公主は、吾なんだけど。)