沈丁花

霛塋は鏡を覗き込んだ。

(似ている。)

あの、世界で一番憎い女に。
親子なのだから、似るのは当然かもしれない。それでも、不快だった。

「公主様、失礼致します。一応、これを。」

紗を顔に被せられた。
もし榮妃と出くわした時のためにだろう。

「さあ、行きましょう!」

玲玲は霛塋の手を引いて、離宮の一角を出た。

(ま………)