沈丁花

そう言えば、いつになく、玲玲も着飾っている。

「さあ、早くして下さいませ。」

玲玲は張り切って、主を着せ替えた。
白粉や紅をさしていって、まるで、人形を自分好みにしていくみたいだと霛塋は思った。

「出来ました。」

玲玲はニコニコと満面の笑みを浮かべながら、霛塋に鏡を渡した。

「………まぁ。」

初めて見た自分の顔。
化粧も施され、母の敵である他の美姫にも負けず劣らずといった出来栄えだった。

(でも。)