沈丁花

とんだ残酷な人だった。

「妾をどうなさりたいのですか。永寧公主。いや、永寧長公主様。」

「………どうとか、こうとか、そういう訳じゃないの。只、人質にとらせてもらったわ。まあ、言うならば、腹いせとでも思ってくれれば結構よ。」

なんの腹いせかは、すぐに分かったことだ。

「旲瑓。来るといいわね。」

ザンバラの、紅く染まった髪が風にのって揺れた。火花がポッポと時折飛んでくる。

「妾を忘れていたら、悲しいですわ。ええ、ただの舞姫ですもの。忘れられたおしまいだわ。」

永寧長公主はにたりと笑い、手を叩いた。