沈丁花

「榮莉鸞元貴妃、で、あってるでしょ?合わないのに。莫迦じゃないの?」

莫迦。
言われたくなかった。

文字も的もに読めない、虫めずる莫迦女。それに、愚弄されるとは。

「妾が、憎いの?」

こんな台詞を、誰かに言われたことがある気がする。

嗚呼、そうか。
霛塋だ。

まだ鎖に繋がれたままの榮氏に、代わりに自由を得た霛塋が言ったのだ。

(霛塋は、こんなことを。)

回想をしている場合ではなかった。