「助けて………」

「大丈夫だよ。莉鸞。」

榮氏は泣いている。
旲瑓の衣裳を、大粒の涙で濡らしてゆく。

立場だ。厭うなら、さっさと離してくれれば良いのに。

もう、二度と、一人では、生きて行けないではないか。