沈丁花

榮家は元々、名高い旧家だったらしい。だが、愚かな若君が何かをやらかして、落ちるところまで落ちた。

(莫迦な話。)

本当に、莫迦な話だ。
それにさえ、誇りを持たされた。
そう、教育された。

(こうなってしまったのは、己の一存ではない。)

後に分かったことだ。榮氏は呪われていた。

蠱毒。巫蠱。
あらゆる毒虫を使った呪いで、壺にそれを閉じ込め、共喰いをさせる。最後に残った虫を使うのだとか。

農民の出の雀斑娘は、虫に恐怖を抱かない。きっと、どこからか噂に聞いて、やったのか。