沈丁花

ほんのりと暖かさを孕んだ風に、ひらりと舞うのは紅い裱。

(やはり、そうか。)

「叶わぬ恋程、悲しい物はあるのでしょうか?」

永遠の舞姫は悲しみ混じりに言った。

「それはきっと、無いのだろうね。」

返したのは、我が父君、旲瑓だった。

「憐れな方々。叶わぬ祈りは届かぬよ。」

ふわりと鼻をくすぐる、薫るは麝香。

「相変わらずだな。」

旲瑓は笑った。

「ええ、そうでしょう。」