沈丁花

数日前だ。

榮妃が突然、霛塋の獄にやって来た。

見せびらかすように、豪奢に着飾り、侍女を数多連れて。

霛塋と玲玲は、それをはしたないと思った。

良いザマだと笑う榮妃に憤りを感じた霛塋はギロリと睨みつけてしまった。

それに立腹した榮妃が、髪に飾った簪を一本引き抜いた。霛塋には、如何してか、分からなかった。

ヒュンッと風を切る様な音がして、カランと床に何かが落ちた。

簪。
榮妃が投げて来たのだ。