「んなことねぇよ」



三上くんはそう言ってわたしに線香花火を手渡した。



ふたりでしゃがんで線香花火の先に火をつける。



それはバチバチと音をたててオレンジの花を咲かせた。



「綺麗...」



線香花火って、こんなに綺麗だったっけ...?



きっと、三上くんと一緒だからだろうな...。



わたし、今が一番幸せかも......。



幸せすぎて、

三上くんが隣にいることが

いまだに信じがたくなってきた。



「......三上くんって、完璧だよね」



わたしはぽつりとそう漏らした。