ガチャッ
時刻は20時すぎ。
どうやらだれかがこの家に帰って来たみたいだ。
「あ、お兄ちゃんおかえり~!」
「凌。夏井いるのか?」
「真緒ちゃん、疲れて眠っちゃったよ。
ねえお兄ちゃん、真緒ちゃんがクリームコロッケ作ってくれたの!
お兄ちゃんも食べようよ!」
「なんかすげーいいにおいすると思った。
...夏井」
トントンとだれかがわたしの肩をたたく。
「おい、夏井」
だれ......?
ゆっくりと目をひらくと、
すぐ横には彼が立っていた。
「み、かみく...!」
どうやらわたしはテーブルに顔をふせて眠ってしまっていたようだ。



