「ん」



三上くんは固まっているわたしにノートを渡し、すぐそばにある自分の机からカバンを手に取ると風のようにその場から教室の外へと去っていってしまった。



びっくりした...。



三上くんにあんなふうに見つめられるなんて。



わたし顔になにかついていたかな?



教室から出てトイレにより鏡で自分の顔を確認するけれど、べつになにもついてなんていなくて。



三上くんの綺麗な瞳に...吸い込まれそうだった。



わたしにとって三上くんはクラスの1人だし、

もちろん三上くんにとってのわたしもそうであろう。


いや、きっとそれ以下だ。



だけど、やっぱり学校で一番かっこいいと言われているだけあって、

ほかの人とはなにかちがうオーラをわたしでさえ感じる。



わたしみたいなどこにでもいる高校生とは別世界の人だ。



なんてことを考えながらわたしはアルバイト先へと向かっていった。