「そ、そうだ、弟くんの体調は大丈夫?」
わたしは咄嗟にそう質問した。
三上くんとこうしてゆっくり話せる時間なんて今しかない。
それに、沈黙だとさすがに気まずい...。
「だいぶ落ち着いた。
今日は親が看病してる」
「そうなんだ、はやくよくなるといいね!
弟くんの名前ってなんていうの?」
「凌(りょう)」
わたし今、三上くんと会話のキャッチボールをしてる。
こんなにもちゃんと話したの、はじめてかもしれない。
三上くんってクールな人ではあるけど、
冷たいわけではないし、キッチンでの三上をみたらよくわかるけど、
まわりをよく見てる。
ホールのわたしでさえ、仕事中に三上くんにフォローしてもらったことは何回もある。
まさに完璧な人だと思う。



