クールな彼の甘い素顔





『12時から6時だけどいいか?』



「うん、わかった!弟くんお大事にね!」



『ありがとな』



三上くんはそう言って電話を切った。



着信履歴に残っている11ケタの数字。



わたしはそれを“三上くん”と登録した。



三上くんのファンの子にこんなこと知られたら、恨まれそう。



「真緒ー!出かけるなら洗濯物たたんでからにしてよー!?」



リビングのほうから聞こえるお母さんの声に、

わたしはひとまず洗濯物をたたんでからバイトへ行く準備をはじめることにした。



先週の竹本さんの一件で、

三上くんになにかお礼をしたいと思っていたから、

役にたてるなら嬉しいな。



ちなみに、竹本さんからあれからメールが来ることはなくなった。



それに、店長に相談すると、竹本さんと入りや上がりがかぶらないようにしてくれて、なるべく曜日もずらしてくれたんだ。

ものすごく感謝だ。