「それに」
「...?」
「自分だけが嫉妬してると思うなよ」
「...っ」
もう、大好き。
好きが溢れて止まらない。
わたしはその想いをぎゅっと繋いだ手に込めた。
もうすぐ、ファミレスに着いてしまう。
「か、翔くん」
「ん?」
「...き、今日、翔くんの家に泊まってもいいかなぁ?」
「...俺今日22時までだけど」
「いいの!待ってる」
「どした?」
今まで何度かお泊まりをしたことがあるけど、こんな急に泊まりたい、なんて言ったのははじめてだった。
「だ、だって、昨日...凌くんたち帰ってきたから...その...」
この先を、わたしの口から言えるわけなくて。
「帰ってきたから、なに?」
なんてわざとらしく言う翔くんに、わたしは「も、もう!」と口をとがらせる。
「早く帰るから。待ってて」
彼に家の鍵を手渡され、わたしは「うんっ!」と笑顔でうなずいた。
「それじゃ、行ってくる」
「行ってらっしゃい!」
翔くんと、ここで出会えて本当によかったな。
好きになれてよかった。
好きになってもらえてよかった。
これからもずっとずっとよろしくね。
*end*



