「離してください...っ!!」 逃げようとするけれど、男の人の力に敵うわけない。 時刻は22時をまわっていて、辺りは真っ暗だから余計に怖くて足が震える。 ここはファミレスの駐車場だけど、裏側だから一般のお客さんはだれもいない。 怖い...っだれか助けて...! 竹本さんは車の助手席の扉を開けてわたしを中に入れようとしたーー 「ーーおい、何やってんだよ」 その声は真後ろから聞こえてきた。 だれかなんて振り向かなくてもすぐに分かった。