わたしは凌くんから目を離したくなかった。 凌くんだって、お友達と来ているかもしれないのに。 直感で分かったんだ。 お兄ちゃんと食べに来たって。 「翔くん...」 顔をあげると、出入り口のそばに翔くんが立っていた...。 彼は、凌くんが店内に入るなり走っていったことに驚いたように、凌くんのほうへ歩いてきてーー 「ーー...真緒?」 わたしの姿に気づいて、目を丸くした...。