「俺が、誰のことを思い浮かべながら彼女いるって言ったと思ってんだよ」
いきなりそんな質問をされるけど、
今のわたしはそんなの考えるキャパがない。
「そんなの知らない!知るわけない、知りたくもない...っ!!」
わたしは口だけは達者で、
バッとわたしの腕をつかむ彼の手を払った。
彼のぬくもりを感じてしまう自分がいやだった。
「お前って、泣いたり怒ったり、忙しいやつだな」
彼は小さく笑って一人言のようにつぶやく。
「そうだよ、わるい!?」
当たり前じゃん。
好きな人のことになると、だれだってこうなるんだよ。
悔しいけど、今目の前に立っている彼のことをやっぱりめちゃくちゃかっこいいと思ってしまう。
わたしにくれた優しさを思い出して、この胸に飛び込んでしまいたいと思ってしまう。
そんなわたしは、
どうやら自分が思っていた以上に彼の虜になっていたようだ。



