「こんなところに一人でいたら、危ねぇだろ」 驚くほど速い時間で、彼が目の前に現れた。 彼は息を切らしていて、どうやら走ってきてくれたようだ。 「体調わるいなら、はやく帰って寝たほうがいい。 ...これだけ渡しておく」 「...?」 彼の最後の言葉に、わたしは落としていた目線を上に上げると、 目の前には1枚のチケットがあった。 「なにこれ...」 彼から受け取りよく見ると、それは隣の市で再来週行われる花火大会のペアチケットだった。 9月に行われる唯一の花火大会。