課長の溺愛に付いていけません

「そっか。気を付けて帰るんだぞ。」

まるで学校の教師のように、優しい言葉を掛けてくれる課長。

いつもは、私が励まされているから、今度は私が。


「課長。これ、よかったらどうぞ。」

そっと、買って来た缶コーヒーを、側に置いた。

「おう、Thank you。」

課長は笑顔を見せていたけれど、どこか元気がなかった。

「課長……少し、側にいてもいいですか?」

「えっ……」

「えっ?」

茫然とした後、課長は慌てて隣の椅子を、私に差し出してくれた。

「あ、ああ。いいよ。」

私は緊張しながら、その椅子に座った。

ちらっと見ると、課長も少し緊張しているみたいだ。

「森?」

「は、はいっ!」