「と言う事で、森は俺が引き取ります。」

背中を課長に押され、あっと言う間に私は、部屋の入り口までへと飛ばされた。

「待て!池田!姫花ちゃんは、俺の獲物だ!」

訳の分からない言葉を発しながら、阿部課長が迫ってくる。

そこを課長が、カンフー映画みたいに止めた。

「残念でしたね。」

「なに?」

「森は、俺のモノですよ。いくら先輩でも、こいつだけは譲れません。

そう言って課長は、阿部課長を投げ飛ばすと、私の腕をひっぱりながら、急いで部屋を出た。


廊下に出ると、課長は何事のなかったかのように、落ち着いていた。

「帰るぞ、森。」

「は、はい。」

課長の後ろを付いて歩いて行くと、なんだか照れくさくなった。

「……いつから私達の事、着けて来てたんですか?」

「外でおまえと会ってから。」