椅子の前にあったテーブルに、くたっとなり、とりあえず深呼吸を繰り返す。

「落ち着いた?姫花ちゃん。」

阿部課長が、側に来てくれた。

「はい、大分……」

顔を上げた瞬間、阿部課長の顔が、近づいてきた。

「いやあ!」

思わず上司を突き飛ばしてしまって、ハッとした。


「元気になったみたいだね。」

阿部課長は、突き飛ばした事なんて、何とも思ってないみたいに、起き上がった。

「そこが、姫花ちゃんのいいところなんだよね。」

そう言って今度は、私の両腕を掴んだ。

「ひっ!」

「姫花ちゃん。本当は、気づいているんだろう?俺が君の事、気に入っているって……」


そ、そんなの。

知りません!!


助けて!!課長!!